愛犬をなでた時に、小刻みに震えていることに気づくときもあるかもしれません。犬が震えているのは、寒さや恐怖を感じている場合があります。
特に小型犬やスムースコート、シングルコートの犬は体温を保持する力が弱いので、少しでも寒さを感じるとすぐに震えます。
しかし、病気である場合もあるので、他に気になる症状が出ている場合は早急に獣医さんにみてもらいましょう。犬の震えから考えられる病気がこちらです。
「急性腎不全」…犬の腎臓機能が急に働かなくなり、体にとって有害なものが排泄できなくなる病気です。
原因はさまざまで、腎臓自体が何か異変をきたしているケースと、腎臓以外の臓器に問題があって腎臓がきちんと機能しなくなっているケースなどが考えられます。
急性腎不全になると、食欲が低下し、嘔吐、下痢、脱水症状を起こします。激しい脱水症状を起こすと体が震え始めます。
おしっこの量が普段よりも少なくなりますが、人間の腎不全のように極端に少なくなることはありません。
「ジステンパー感染症」…ジステンパーウィルスに感染することで発症する感染症です。
子犬が感染することが多く、感染してから3~7日ほど経過した後、発熱、食欲不振が続き、子犬の場合は、下痢、血便、咳、呼吸困難などを起こす恐れがあります。
さらに進行すると下半身にまひが現れ、短めのけいれんを何度も繰り返すといった症状が現れます。成犬の場合は症状がほとんど現れずに治癒することが多いようです。
「てんかん発作」…犬の大脳や前脳部を更生する神経細胞に、何らかの異変が起きる病気です。てんかん発作が現れると、いきなり泡をふいて倒れる、激しく震えるといった症状がみられます。
脳そのものの異常が原因になっているケースや、臓器の疾患など、何らかの病気から引き起こされることがあります。
「狂犬病」…致死率100%の感染病で、日本では毎年ワクチンを接種するよう義務づけられています。
狂犬病ウィルスに感染している犬に咬まれることで発症し、発症すると、動くものに対して噛む姿勢をとり、口をたえず開けてよだれをたらし、顔つきも凶暴になります。
そのうち急激に体力が衰え、立つことが困難になり、1週間程度で死に至ります。
「尿毒症」…腎臓の機能が低下し、ろ過機能が衰え、本来ろ過し排泄するはずの老廃物を体内に蓄積してしまう病気のことを尿毒症といいます。
腎臓以外の臓器などに影響を与え、下痢や嘔吐などを引き起こします。末期になるとけいれんをおこし、昏睡状態に陥って死に至ることも。
「小脳障害」…生まれつき小脳が未発達である場合や、小脳に外傷がある場合、腫瘍におかされた場合などに起こる障害です。食べる、立つ、などの行動を起こすときに体が震え、スムーズに歩けなくなります。
原因が感染症である場合は感染症の治療を行いますが、小脳の障害には完治させる治療法がないため、日常生活のケアが必要となります。
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目次
犬が震える~症状から考えられる病気
犬が震えているとき、寒くて震えているのかな?と思い見過ごすことも多いのですが、実はこんな病気にかかっているかもしれません。犬の震えから考えられる病気をまとめてみました。
「ジステンパー感染症」…ジステンパーウィルスに感染することで発症する感染症です。多くの場合、生後6ヶ月の子犬が感染します。
感染後、3日~1週間ほど経過した後、発熱、食欲不振が続き、免疫力の高い成犬はそのまま治癒することも多いのですが、子犬の場合は、下痢、血便、咳、呼吸困難などを起こす恐れがあります。
さらに進行すると下半身にまひが現れ、短めのけいれんを何度も繰り返すなどし、後遺症が残ることもあります。
「てんかん発作」…てんかんとは、犬の大脳や前脳部を更生する神経細胞に、何らかの異変が起きている病気のこと。発作が現れると、いきなり泡をふいて倒れる、激しく震えるといった症状がみられます。
脳そのものの異常によって起こる場合と、低血糖、肝臓や腎臓の疾患など、病気から引き起こされることがあります。子犬では遺伝の場合が多く、ダックスフント、ジャーマンシェパード、ビーグルなどに多く見られます。
「急性腎不全」…何らかの原因から、腎臓がきちんと機能しなくなり、体に有害なものが排泄されなくなることで嘔吐、激しい下痢、脱水といった症状を起こす病気です。
進行すると神経に異常をきたし、けいれんなどの症状が出るようになります。おしっこの量が減りますが、人間の腎不全のように極端に減ることはありません。
「尿毒症」…腎臓の機能が低下し、ろ過機能が衰え、本来ろ過し排泄するはずの老廃物を体内に蓄積してしまう病気のこと。
腎臓以外のさまざまな器官に影響を与え、下痢や嘔吐などを引き起こします。病態が進行するとけいれんをおこし、昏睡状態に陥って死に至ることも。
「小脳障害」…犬がスムーズに歩けていなかったり、よろよろ歩いていたりしたときに考えられる病気です。生まれつき小脳が未発達である場合や、小脳に外傷がある場合、腫瘍におかされた場合などに起こります。
食べる、立つ、などの行動を起こすときに体が震えるのが特徴。原因が感染症である場合は感染症の治療を行いますが、小脳の障害には完治させる治療法がないため、日頃の生活をケアしていくことが何よりも重要になります。
「狂犬病」…致死率100%の感染病です。現在、日本では毎年ワクチンを接種するよう義務づけられています。狂犬病は、狂犬病ウィルスに感染している犬に咬まれることで発症します。
発症すると、動くものに対して噛む姿勢をとり、口をたえず開けてよだれをたらし、顔つきも凶暴になります。そのうち立つことが困難になり、5~7日後には死に至ります。
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吐く・下痢の症状~考えられる犬の病気
愛犬が、吐く・下痢を繰り返すようでしたらすぐに動物病院に連れて行くことをおすすめします。吐く・下痢といった症状から考えられる病気にはどのようなものがあるのでしょうか?その一部を紹介します。
「尿毒症」…腎不全が進行することで、腎臓の働きが低下し、毒素が体内に溜まってしまうことであらゆる障害をもたらす病気です。元気がなくなり、食欲が低下し、嘔吐や下痢が見られるようになります。
症状が進行すると、体が痙攣し昏睡状態に陥り、最悪の場合死に至ります。尿毒症になる前に、腎不全を早期発見、早期治療することが大切です。
「子宮蓄膿症」…犬の子宮蓄膿症は、子宮内で細菌感染が起こり、膿が内部に溜まる病気です。発情期後や老犬に発生しやすいといわれています。
症状の出始めは、発熱、多飲多尿、お腹がふくらむなどの症状で、進行すると嘔吐、下痢、食欲低下などがみられるようになります。
治療せず放置していると、尿毒症や腎不全を引き起こす恐れがあります。子宮蓄膿症は、避妊手術によって予防可能です。
「熱中症」…犬は汗腺が主に肉球にしかなく、人間のように暑さを調整することができず、体温調整のほとんどを呼吸に頼らざるをえません。
そのため、高温多湿の環境に弱く、特に水分がとれない環境では熱中症になりやすいといわれています。
暑さが厳しい中での散歩や、蒸し暑い室内での留守番などにより発生し、急激に体温が上昇することで息苦しくなり、嘔吐、下痢、ふらつきなどがみられます。
熱中症が進行すると虚脱症状、失神、意識の混濁に陥り、意識がなくなり全身がけいれんすることもあります。最悪の場合はショック状態から死に至ることも。
炎天下での散歩や、高温多湿の室内での留守番などは避け、熱中症の症状が見られたら、冷水を体にかけるなどして体全体を冷やし、すぐに病院へ連れて行きましょう。
「犬パルボウィルス感染症」…パルボウィルスに感染した犬の便を舐めたりすることで感染する、感染症です。
4~7日程度の潜伏期間の後、激しい下痢や嘔吐をし、発熱、重い脱水症状などの症状が現れます。下痢が激しいとショック状態を起こし急死することも考えられます。
予防にはワクチン接種が有効。他にも、下痢や嘔吐を伴う病気はいくつもありますので、症状が出ている場合は獣医に相談するようにしましょう。
犬が黄色い液体を吐く~これって病気?
犬が食べたものを吐きだすことは、よくあることです。しかし、黄色い液体や泡などを吐いた場合には何ごとかと心配する飼い主も多いかもしれません。
黄色い液体を吐くというのは、病気なのでしょうか?まず、黄色い液体や泡は、胆汁だということを知っておきましょう。白い液体の場合は胃液です。
胆汁は肝臓でつくられ、肝細胞の毛細胆管に分泌され十二指腸に排出される消化液で、ツンとした刺激臭があります。胆汁が出る場合は、胃が空っぽで逆流してきたことがほとんど。
餌の与える回数が少ない場合や、与える量が少ない場合によく起こり、「胆汁嘔吐症候群」といわれています。
胆汁を吐いても、そのあとは元気に走り回っていることが多く、特に病気を疑うことはないでしょう。
しかし、食事について見直す必要があります。食事を小分けにして与え、食事間隔が開きすぎないようにしましょう。また、食べ過ぎが原因で黄色い液体を吐き出すこともあります。
食べ過ぎの場合は、胆汁と胃液、消化しきれていない食べ物を吐きだします。このケースでも、食事の間隔や量を見直す必要があります。
改善しても吐きだす場合は、食物アレルギーが考えられます。食物アレルギーが原因の場合は、低アレルゲンのフードに変えることである程度改善しますが、詳しい検査をしてより対策を強化すると嘔吐なども治まるでしょう。
胃液や胆汁を吐いても特に気になる病気を患っているわけではないのですが、注意すべきが、黄色い液体や白い液体ではなく、血液を吐いたときです。
血液や、コーヒー色の消化された血液が混じっているものを吐くことがありますが、この場合は病気が原因である可能性が極めて高くなります。
他に血便をしたり、腹痛を起こしていたり、激しい下痢をしていることも考えられますので、何か症状が出ていないかを確認して獣医に相談しましょう。
吐く症状としては、その原因で最も多いのが、急性胃炎です。食べたものを消化せずに吐き出す行為は、食べ過ぎが多いのですが、消化したものを嘔吐する場合はいろんな病気が考えられます。
時には消化器系以外の病気が原因であることもあり、繰り返し嘔吐するようだったらすぐに動物病院に連れていきましょう。
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犬の咳~考えられる病気と他の症状
普段は咳をしない犬が、突然激しい咳をするようになったらとても気になるもの。咳を伴う病気には、どのようなものがあるのでしょうか?
・乾いた咳
「フィラリア症」…蚊が媒介するフィラリアという寄生虫が感染して起こる病気のこと。感染当初は症状がみられないことが多いのですが、そのうち呼吸が荒くなり、咳をするようになります。
他の臓器の機能不全も招く恐れがあり、急性の場合はすぐに獣医に治療をしてもらわなければ命を落とすことも。
「心不全」…心臓の機能低下により、全身に充分な血液を送れなくなる病気です。呼吸困難に陥り、ひどい場合は死に至ります。
体重減少、鼻水、不整脈などを起こし、舌や口の中の粘膜が紫色になるチアノーゼを起こすこともあります。
「僧帽弁閉鎖不全症」…心臓の、左心房と左心室の間に存在する「僧帽弁」に異常が起こると、僧帽弁閉鎖不全症を引き起こします。
繰り返し咳をするようになり、運動を嫌がり、食欲不振で元気がなくなり、失神することもあります。合併症に陥ると症状がかなり深刻になりますので注意が必要です。
・湿った咳
「ケンネルコフ」…別名、伝染性気管支炎。いくつものウィルスや細菌が複合して病気を起こしている状態ですが、致死的な感染になることは少ないといわれています。
発作的に起こる咳が特徴で、その他には発熱が起きたりすることもありますが犬によってさまざまです。進行して肺炎になる恐れも。
「気管支炎」…気管支に炎症が起きる病気のこと。主な症状は咳で、運動を嫌がったり、食欲が低下したり、呼吸困難を起こしたりします。
原因は、細菌やハウスダスト、タバコなどさまざま。気管支炎自体が他の病気の症状として出ていることもあるため、検査は十分に行われます。
・夜中に集中する咳
「気管虚脱」…犬特有の、気管が途中でつぶれて呼吸ができなくなる病気です。ゼーゼー苦しそうに呼吸をするようになり、激しい咳を伴います。
放置すれば、呼吸ができなくなり死に至りますので、早めに治療を受けることが大切です。
「肺水腫」…心臓病や肺炎などと併発する病気で、咳が出るほか、元気がない、呼吸困難に陥るなど症状はさまざまです。
肺の中に水がたまってむくんだ状態になるため、呼吸に異変が起こります。症状が軽い場合は安静にしていれば治まりますが、鼻血が出ている場合は早急に治療を受けましょう。
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犬の呼吸に異変!考えられる病気は?
ゼーゼー息があがっていたり、呼吸が浅くなっていたり、乾いた咳をするなど、犬の呼吸に異変が生じた際にはどんな病気が疑われるのでしょうか?
詳しくは獣医さんに診察してもらう必要がありますが、まずは考えられる病気について知っておきましょう。
「気管虚脱」…呼吸に伴い気管が扁平に変形することで、息が荒くなり乾いた咳をし、呼吸困難といった症状が現れる病気です。
ミニチュア・プードル、チワワ、ポメラニアンなどのミニュチュア犬種やトイ犬種に多く、稀にゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリーバーなどの大型犬種でも発症することがあり、特に高齢になると発症しやすくなります。肥満になると悪化するので、健康管理が大切です。
「門脈シャント」…門脈シャントとは、何らかの原因によって門脈と呼ばれる血管と大静脈血管との間に異常なシャントができてしまう状態のこと。毒素が体中を循環することで、障害を引き起こします。
ふらつき、けいれん、よだれなどの他、しばしば肝性脳症を起こすことも。原因が先天性のものは発育不良がみられ、後天性の場合は食欲が落ち、体重が急減することがあります。放置すると命に関わるでしょう。
「肺炎」…犬の肺炎は、細菌感染、ウィルス感染、アレルギーなどさまざまな原因から引き起こされます。咳、発熱、食欲低下、疲れやすい、呼吸困難などの症状がみられます。
抗生物質などにより治療を受け、運動をさせずに安静にさせ、治った後も日頃から体力や抵抗力を高めるような生活を送ることが大切です。
「鼻炎」…鼻からウィルスや細菌が侵入し、鼻の中の粘膜に炎症を起こすこと。他に、歯周病が原因になって発症することもあります。
初期にみられる鼻水はサラサラしていますが、慢性化すると膿のような鼻汁がみられるようになり、副鼻腔炎を引き起こすこともあります。
「副鼻腔炎」…犬の場合は稀ですが、主に鼻炎が慢性化した場合に引き起こされます。鼻炎症状が悪化したような症状となり、苦しそうに口を開けて呼吸したり、目やにが出たりといった症状がみられます。鼻炎からの発症が多いため、鼻炎が軽いうちに治療を行うことが重要でしょう。
犬の血便~考えられる病気と他の症状
犬の健康は、トイレをこまめにチェックしていると大抵把握できるといいますが、血尿が出たらあらゆる病気を考えてみましょう。血尿を伴う病気には、このようなものがあります。
「尿結石」…腎臓や膀胱でつくられた結石が、尿道の途中でつまってしまう病気。排尿時に痛みを伴うようになり、尿の流れを完全に遮断します。メスはほとんどなく、オスによくみられます。
「膀胱炎」…血尿をしているほか、尿の回数が多い、陰部を繰り返し舐めている、といった行動がみられた場合膀胱炎が疑われます。膀胱炎は、通常の尿の流れとは逆方向に雑菌が侵入し、膀胱で炎症が起きている状態のこと。
犬の場合は特に細菌感染によるものが多く、原因としては、感染による一次性のものと、尿石や腫瘍などの形態的変状による二次性のものとにわかれます。オスよりもメスの方が起こしやすいといわれています。
「前立腺疾患」…尿道から細菌が侵入して、前立腺に感染して炎症を起こしている病気。急性の場合は、発熱、嘔吐、食欲不振などを伴います。
症状が悪化することで、血尿をすることがあります。しかし、慢性の場合はこのような症状はみられないため、見過ごされることが多いのが実情です。去勢は再発防止に有効でしょう。
「タマネギ中毒尿道炎」…犬が中毒を起こす原因には、石鹸、タバコ、洗剤、殺虫剤などがありますが、最も多いものが「タマネギ」です。下痢、嘔吐、けいれん、口から泡などの症状がみられ、昏睡状態になることもあります。
中毒を起こす恐れがあるものに触れた場合は、水で十分に洗い流します。口に入れてしまった場合には、水をたくさん飲ませることが応急処置となります。この後ただちに獣医の治療を受けましょう。
「腎炎」…腎臓内の糸球体の基底膜で炎症が起き、血液をろ過する働きが正常に行われなくなる病気です。原因には、伝染性肝炎、細菌感染、子宮蓄膿症などあらゆるものが考えられます。
通常は症状が軽くすぐに治ることが多いのですが、重症になると尿毒症を引き起こします。血尿のほか、むくみ、食欲低下、嘔吐、脱水、けいれんなどを伴うことも。
犬が多尿症、多渇症を起こす病気とは
犬の多尿症は、1日に50ml/kg以上の尿を出すようになることで、多飲症・多渇症は1日に100ml/kg以上の水分を飲むことをいいます。
多尿症や、多飲症・多渇症は他の疾患からの二次的な徴候として発生することがほとんどで、尿崩症などが考えられます。
尿崩症とは抗利尿ホルモンが正常に分泌されなくなる病気のことで、この病気になると1日中水を飲み続けていることにより大量の尿を出すようになります。
抗利尿ホルモンは、脳の視床下部でつくられ下垂体に蓄えられるもので、体内の水分が不足すると抗利尿ホルモンが下垂体から分泌されて腎臓にはたらきかけます。腎臓はそれを受けて水分の排出を防ごうと作用します。
抗利尿ホルモンの生成にかかわる視床下部や脳下垂体に炎症が起こった場合や、傷がついた場合、腫瘍ができた場合にホルモンの調整がうまくいかず尿崩壊を引き起こします。
抗利尿ホルモンの量が適正でも、腎臓に異常があると尿量のコントロールがうまくいかず、やはり尿崩症をおこすようになります。
また、ステロイド、利尿薬、抗けいれん薬などの副作用により尿量が増加するケースも考えられます。診断により、尿崩症を引き起こしている病気がわかった場合、まずはそれらの基礎疾患への治療が施されます。
薬の副作用が原因だと思われる場合は投薬の中止が検討されることもあります。飼い主ができることは、尿量と飲み水の量をしっかりと観察していること。
水を自由に飲ませていると嘔吐を起こすことがあり、逆に制限をかけていると尿量が上回ることで脱水症状に陥る可能性がありますから、この両ケースに注意を払いながら観察していましょう。
また、多尿症、多飲症・多渇症が現れたら次の疾患の可能性もあります。
・アジソン病
・肝不全
・偽心因性多渇
・初期の急性腎不全
・クッシング症候群
・高カルシウム血症
・甲状腺機能亢進症
・子宮蓄膿症
・腎盂腎炎
・糖尿病
・慢性腎不全
ご自分で判断せず、必ず医師の診断を受け、指示を仰ぎましょう。
細菌・ウィルスが原因の、犬の下痢症
犬の糞便をチェックすると、おおむね健康状態は把握できるといいます。健康チェックをしている中で、犬が下痢をすることもあると思います。
下痢は単なる消化不良で起きることもありますが、細菌やウィルスが原因で下痢が引き起こされ、これから症状が悪化していくサインとなっている場合があるので、油断は禁物です。下痢をした場合はぜひこのような点をチェックしてみてください。
・どのような色をしているか
・血が混じっているか
・下痢の回数
・下痢の量
・嘔吐はするか
・最近変わったものを食べたか
単なる消化不良の場合は、食事を一回抜けば元のウンチに戻りますが、そうでない場合は体内で異変が起きていることが考えられます。
子犬の場合、免疫力が低くすぐに症状が悪化し、命に関わることもあるのですぐに動物病院に連れて行きましょう。その際は、診断の助けになりますので糞を持参するといいようです。
下痢を起こす疾患の場合、腸内の分泌過剰、透過性の変化、蠕動運動の亢進によって、水分量の増加を起こします。
腸の働きとしては、小腸で消化や吸収を行っており、大腸ではほぼ水分吸収のみとなります。
そのため、小腸での炎症や小腸性の疾患である場合は、小腸で過剰に分泌された水分を大腸で吸収しきれずに下痢となります。
また、大腸の炎症や大腸性の疾患の場合でも、水分の吸収力が低下するので下痢が起こります。大腸の粘液が下痢と一緒に出ることが多いので、鮮血を伴うこともあるでしょう。
下痢の原因にはいくつか要因があげられます。パルボウィルスやジステンパーウィルスなどの「ウィルス」や、カンピロバクターやサルモネラなどの「細菌」、回虫や瓜実条虫などの「寄生虫」、ストレスなどの「自律神経の乱れ」などです。
他にも、腫瘍や膵外分泌不全症の可能性もありますので、早めに獣医に診察してもらうようにしましょう。
診察や検査をして病名がわかったら、その疾患の治療を行ってくれます。稀に、犬が下痢を起こしたら人間の薬や正露丸を飲ませる方がいるようですが、犬が中毒を起こすことがあるので絶対にやめるようにしましょう。
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