人間をはじめ、猫などの動物も「皮膚炎」になることがありますが、犬は特に皮膚炎にかかる確率が高いといわれています。
特に、細菌が入り込むことによる犬の細菌性皮膚感染症は「膿皮症」とも呼ばれており、場合によっては痛みや脱毛を伴うので早めに治療することをおすすめします。
犬はそもそも体に多少なりとも細菌を持っているものですが、免疫力が低下することによってその細菌が異常に増殖し、皮膚炎を引き起こします。
夏場に多く、老化のために皮膚の抵抗力が弱くなった老犬や、もともと免疫力が低い子犬がかかりやすい病気です。皮膚上で菌が異常繁殖すると皮膚に斑点や膿が発生し、強烈なかゆみを伴います。
膿皮症も、症状の出方によって3種類にわかれています。
表皮の最上部にある角質層に発生する膿皮症のこと
毛包とそれに連なる表皮に発生した膿皮症のこと
毛包全体、真皮、皮下組織に膿皮症が発生すること
赤い斑点やかゆみを伴っても通常は自然と治るものですが、深在性膿皮症になってしまうと治療が困難になります。症状が重いケースでは、腫瘍、発熱、傷みなどもみられます。
古い病変部が色素沈着で黒くなっていくケースもあり、かゆみが強く犬が舐めたり引っかいたりすることで脱毛が進行してしまうことも。
また、細菌によっては抗生物質が効かないものもあるので、長期に渡り少しずつ回復していく必要もあります。
膿皮症は、不衛生で汚い環境の中で生活していることにより引き起こされることが多いです。
皮膚が汚れてもそのまま放置していたり、すり傷や咬み傷を放置したりして病原菌が感染してしまうのです。それを防ぐためにも、シャンプーを定期的に行い、皮膚を清潔に保ちましょう。
しかし、過度なシャンプーは症状を悪化させる危険性があるので、毎日シャンプーをするのではなく、少しの汚れなら濡らしたタオルを硬くしぼって拭きとってあげる程度でいいでしょう。
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目次
犬の細菌感染による皮膚病「細菌真菌性皮膚病」
細菌やカビが繁殖して皮膚に炎症を起こることを、細菌真菌性皮膚病といいます。人間に皮膚病がみられると、アレルギーが疑われることが多いのですが、犬の場合は細菌による感染だと考えることが多いです。
犬の皮膚にはもともと細菌が存在していますが、若くて健康なうちは特に異常が起こることはほとんどありません。
しかし年をとるごとに免疫力や抵抗力が低下して、細菌が異常繁殖して皮膚病を起こすことがあるのです。
真菌感染症は、カビの一種である真菌が皮膚に感染して起こる皮膚病のことをいいます。真菌感染症になると、円形状の大きくて赤い発疹ができ、その周囲は脱毛するようになり、フケやかさぶたも見られます。
もともと犬の皮膚には、人間の3分の1ほどの厚さのバリア層しかなく、外部からの刺激を防ぎにくいといわれています。そのため毛で覆われているのですが、毛が不潔だったら意味がありません。
健康な犬は皮膚にカビ菌がついてだけでは発症しませんが、皮膚に咬み傷やすり傷がある場合や、免疫力が極端に低い老犬や子犬などは、真菌の増殖を防ぐことができません。
特に不衛生な場合に感染することが多く、アレルギーやアトピーといった体質は真菌の影響を受けやすいといわれています。
また、犬が引き起こしやすい皮膚病のひとつとして、膿皮症があげられます。犬の皮膚病の中では最も多いといわれています。
こちらも免疫力が低い老犬や子犬に起こり易い皮膚病で、不衛生な環境で起きることがほとんど。すり傷や咬み傷から黄色ブドウ球菌などが侵入して皮膚に炎症が起こるようになります。
最初のうちは、赤いポツポツした発疹がみられますが、強いかゆみから掻きむしっていることで感染が広範囲に広がります。皮膚が黒ずむのが特徴です。
真菌感染症も、膿皮症も、日頃から愛犬の体をしっかりと拭いてあげ、体や飼育環境を清潔に保つことで感染を防げます。
また、毛布やマットなど、犬が愛用しているものにも抗菌スプレーなどを頻繁にするなどして細菌やカビが繁殖しにくい環境づくりを心がけましょう。
犬の細菌性皮膚炎の原因とは
人や猫などの動物にも皮膚炎はありますが、犬には特に細菌性皮膚炎が起こる確率が高いことがわかっています。
そもそも犬の皮膚には多少なりとも細菌は付着していますが、それらが何らかの原因により異常繁殖するなどして、皮膚炎を引き起こします。
特に多い細菌性皮膚炎が「膿皮症」です。
細菌が異常に増殖したことで皮膚に湿疹や炎症を引き起こす病気
犬の場合は免疫力が低下したときに皮膚にすでに付着していた細菌が増殖し、それによって症状が引き起こされると考えられています。
症状の始めは、常在している黄色ブドウ球菌が増殖し、膿皮症となりますが、重症の場合は他の悪性の菌、例えば緑膿菌などの細菌が検出されることもあるようです。
皮膚が湿疹のように赤く腫れ、かゆみが増すだけでなく、皮膚の表皮から深部へと化膿が広がっていきかねません。
免疫力が低下する原因としては、不衛生な場所や多頭飼いによるストレス、ホルモンの病気、栄養不良、副腎皮質ホルモン薬などの薬物の過剰投与などが考えられていますが、まだハッキリとは解明されていません。
免疫力の弱い子犬や老犬は、日頃から皮膚のお手入れをしっかりと行い、清潔に保っていることが皮膚炎の予防につながります。
しかし、清潔にしなければいけないとはいえシャンプーのしすぎには注意が必要です。
皮膚の弱い犬によっては、過度なシャンプーが原因で皮膚炎を起こす場合もありますので、シャンプーは汚れがひどい時だけにとどめるようにしましょう。
普段のケアとしては、硬くしぼった濡れタオルで体を拭く程度のケアがおすすめです。
犬によっては、ドラッグストアでも販売されているような消毒液を薄めた液で、体を拭いてあげることで皮膚炎の悪化や再発を防げているようです。もちろん、獣医に相談した上ご使用ください。
また、ブラッシングは血行促進や新陳代謝促進の作用があるといわれているので、健康のためにも向いています。
細菌性皮膚炎の治療法とは
犬の細菌性皮膚炎の代表的な疾患として「膿皮症」があげられます。膿皮症は、ノミアレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎とともに以前からよくある疾患とされてきましたが、近年、抗菌剤が効かない細菌なども出現したことにより治療がより困難になったといわれています。
膿皮症をはじめ、犬が細菌性の皮膚炎を起こしたら、基本的にはまず患部周囲の毛を刈ってから治療を行います。
細菌が増殖しないよう薬用シャンプーで体を洗い、患部に抗生物質を塗ります。重症の場合は、飲み薬なども併用し、回復をはかります。
細菌性皮膚炎にかかった犬は、必ず他の犬と隔離するようにしましょう。ご自宅では、薬用シャンプーや殺菌性シャンプーでケアをすることが大切です。
犬舎などの環境も改善もし、皮膚を常に清潔に保って、必要なときには犬の毛をカットするようにしましょう。はいえ、過度なシャンプーは禁物です。皮膚が弱い犬はシャンプーのしすぎで皮膚炎を悪化させてしまいます。
このような治療法により回復が見込めますが、皮膚表面だけでなく深部で膿が出たり症状が悪化した場合には治療が困難になります。
多めの抗生物質の投与を行うなど、最低でも3週間程度~数ヶ月単位での投薬が必要で、治療は長期戦となるでしょう。
細菌性皮膚炎といってもその種類はさまざまで、治療法も病原菌や皮膚の症状によって異なります。詳しくは、担当の獣医から説明を受けるようにしましょう。
犬の細菌性皮膚炎は、不衛生で汚い環境から発生することが多いです。皮膚が汚れているのにそのまま放置していたり、すり傷や咬み傷から細菌が感染したりすると、症状が起こります。
症状は、皮膚が局所的に赤くなり、発疹が出て、かゆみが起こります。
初期段階では皮膚の表面だけに小さな発疹が起きる程度ですが、重症になると環状に症状が現れるようになります。症状が悪化しないためにも、異変を感じたらすぐに動物病院で診察を受けるようにしましょう。
犬の皮膚の細菌感染・症状と治療法
犬の病気の中でもっとも多いのが、皮膚病だといいます。皮膚病とひとくちにいっても、その種類は何百種類もあり、専門的な治療を受けなければならない場合もありますが、その多くはアレルギーや細菌感染であることが多いようです。
人間がかゆがっていると「アレルギー」だと思うことが多いようですが、犬がかゆがっていてもそれがアレルギーとは限りません。
むしろ、飼い主が考えているよりも、細菌やウィルスに感染していることのほうがはるかに多いようです。
犬の皮膚の細菌感染にもいくつか種類がありますが、皮膚が化膿している場合の総称を「膿皮症」といいます。
膿皮症は夏場には特に多く、老犬では皮膚の抵抗力が下がってきたり免疫力が低下したりすることにより発生します。
軽症のものでは比較的すぐに治ることも多く、自然治癒することがほとんどですが、抵抗力が弱い子犬や老犬の場合は、皮膚の状態がどんどん悪化していくため注意が必要です。
子犬や老犬の場合はすぐに獣医に診察してもらった方が無難だといえます。
犬の膿皮症の症状は、皮膚が局所的に赤くなっており、かゆみが起きます。初期段階では、毛包だけに菌の増殖が起きて小さなプツプツができる程度ですが、悪化していくと環状の病変となります。
かゆみのある部分を掻いたり舐めたりすることで黒ずんでしまうこともあり、脱毛が広がるようになります。症状がさらに悪化すると膿瘍、発熱、痛みも発生します。
犬の膿皮症は、不衛生な飼育環境の中で、皮膚が汚染されたり、すり傷を負ったり、咬み傷を負ったりした場合に、傷口から黄色ブドウ球菌などの細菌が感染して発症します。
逆に、清潔に保とうと過度にシャンプーを行ってしまった場合などにも感染することがあるので、シャンプーを過度に行えばいいというものではありません。
治療は、薬用シャンプーで清潔にしてから、患部に更生物質の軟膏を塗ります。他の犬との接触は避け、食事の改善も必要に応じて行うようにしましょう。
日頃のケアの中で、殺菌性シャンプーや薬用シャンプーを使い、常に清潔に保つよう心がけましょう。ただし過度なシャンプーは症状悪化につながります。
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犬の細菌性皮膚炎に適した薬とは
犬は、人間や他の動物よりも皮膚炎になる確率が高いといわれています。日頃からスキンシップを取るなどして、発症していないかを確認しておくようにしましょう。
皮膚炎とひとくちにいってもその原因はさまざまですが、特に細菌性皮膚炎ともよばれている「膿皮症」は、悪化すると治療が長期戦になる可能性が高いので早期発見と早期治療が大切です。
膿皮症の主な原因となっているブドウ球菌は、本来は病原性が強い細菌ではありませんが、アレルギーなどにより皮膚バリア機能が弱っている細菌性皮膚炎を発生しやすいといわれています。
多頭飼いによるストレス、栄養不足などによっても引き起こされる恐れがあります。細菌性皮膚炎を発症、または悪化させないためにも、根本にある疾患の管理をすることが大切です。
治療は、抗生剤投与、細菌を除去するシャンプー、根本疾患の管理が必要となります。皮膚表面に炎症を起こしている表在性膿皮症は、ホットスポットとも呼ばれ、薬を必要とせずほとんどの場合家で治癒させることが可能です。自宅では、消毒によりホットスポットを治療します。
薬用シャンプーにより菌の増殖を抑えましょう。犬によっては、病院の薬よりもシャンプーをすることで症状が軽くなった例もあるため、シャンプーは薬の一環として考えておきましょう。
ただし、数日間斑点のようなものが治らなかったら病院に連れて行ってください。表在性膿皮症ではなく、膿が深部まで増殖してしまう深在性膿皮症の場合は、投薬による長期的な治療が必要となります。
抗菌薬、シャンプー、トリートメント、抗ヒスタミン薬、局所療法などを用いて治療が行われ、皮膚のターンオーバーが行われるとされる3週間単位で、症状の改善がみられても投薬を続けたほうがいいといわれています。
また、細菌性皮膚炎は、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症など、あらゆる皮膚疾患に併発するため、投薬を続けても改善がみられない場合には疾患を判別して治療を行う必要があります。
犬の細菌性皮膚炎に有効なシャンプーとは?
犬が前足で顔を掻いたり、顔を舐めたりしているときは、皮膚に何らかのかゆみが発生しているときです。皮膚炎は犬によくみられる疾患ですが、特に細菌性皮膚炎はすぐに治療を受ける必要があります。
病原菌単体で皮膚炎を起こすこともありますが、アレルギー性皮膚炎の二次感染で増殖してその刺激からさらに症状が悪化する場合があります。
細菌やカビなど、病原体をつきとめたら、抗生物質や抗真菌剤で治療することができ、回復が見込めます。皮膚炎の治療の際に、飼い主にぜひ気をつけて行ってもらいたいのが、自宅でのシャンプーです。
シャンプーをすることによって、病原体をはじめ、汚れやアレルゲン、さらには必要以上に発生してしまっている皮脂などを洗い流すことができ、細菌の繁殖を抑える働きがあります。
犬の細菌性皮膚炎の原因が何であれ、大切の治療の一環だと思っておきましょう。ただし、どんなシャンプーでもいいというわけではありません。
もちろん人間用のシャンプーを使用するのは論外。犬用のシャンプーを使用し、治療の効果をアップさせるためにもその犬の皮膚の状態に合わせた適切な薬用シャンプーを選ぶ必要があります。獣医と相談の上、決めるといいでしょう。
市販のシャンプーではかえって悪化する可能性もあるため、シャンプーが処方された場合は必ずそのシャンプーを使うようにしてください。
シャンプーの前は、できるだけ毛を短く切っておきます。熱いとかゆみが強くなるため、お湯の温度は30度くらいのぬるめにします。
まずはしっかりと水洗いをし、そしてシャンプーをし、よく洗い流しましょう。1回目は泡立たないことがあるので、シャンプーは2回します。
2回目は、シャンプーをしてもすぐには洗い流さず、10分ほど放置してから洗い流すようにしましょう。
シャンプー後は、皮膚が乾燥してしまうのでドライヤーは使用しないほうが無難。タオルドライか、もしくは冷風によるドライヤーをし、しっかりと保湿しましょう。
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